クレイン・トータス新聞
トータス新聞1面記事
10周年を迎えて
2019-12-01
鶴舞温泉げんき館は、令和元年12月1日で開設10周年を迎えました。これも偏にご利用者・ご家族はじめ、関係者各位の日頃よりのご支援ご厚情の賜物と、職員を代表いたしまして深く感謝申し上げます。
さて、10周年を迎えたこの機会に一面の担当となりましたので、今一度、鶴舞温泉げんき館(以下げんき館)の概要と、支援方法の特徴、そしてげんき館ならではの特色を私なりにお伝えしたいと思います。
げんき館は「できること」は継続し「できないこと」は少しでもできるように生涯現役を目指して支援している介護予防に注力しているデイサービスです。1日の定員は72名で、平均60名の方にご利用いただいております。平成21年12月に開設し、平成25年9月に増築工事を施して通称「のんき館」が完成し現在に至っています。名前に温泉がついていることから分かると思いますが、地下600メートルより汲み上げられた天然温泉と房総の軽井沢と呼ばれる鶴舞の自然が一番の特色です。げんき館には内湯と露天風呂を完備した浴場が2ヶ所と、のんき館には雰囲気が異なる内湯2ヶ所に加え足湯を備えており、より多くのご利用者のお身体の状態、ご希望に合わせた対応ができるような設備となっています。ご利用者からは「旅行に行かなくても温泉に入れるのは最高」「体の芯まで温まり体の痛みが楽になった」等々、嬉しいお声をいただいています。その他にも本格的なカラオケルームやリハビリ室も備えており、多様な目的に沿ったお過ごし方ができるようになっています。
げんき館ではご利用者を支援させていただくにあたり「できることは自分で」「自己選択・自己決定」「楽しさ」を大切に取り組んでいます。
まず「できることは自分で」ですが、生活動作の中で、できることはご自身でやっていただくといった、ご利用者の持ちうる資源を最大限に活かす支援を行なっています。それはご利用者の大半が、在宅生活を送っているからです。例えば、お食事はバイキング形式でご提供させていただいており、食器類からはじまり品数豊富に並ぶお肉・お魚・煮物・炒め物・和え物・果物などをご自身で盛り付けていただきます。職員がすぐにお手伝いすることは簡単ですが、そこは気持ちをぐっと抑え、できる限りご自分で行っていただき、難しいことややりづらそうなときは、道具を使ってはどうか、やり方を変えてみてはなど、①ご自身で②道具の活用ややり方を工夫③人の手を借りてと、段階を踏みながらより在宅生活に近い方法を心掛けています。
次の特徴は「自己選択・自己決定」です。在宅生活を送る中で「自己選択・自己決定」ができることはいつまでも自分らしい生活を送るために必要な要素ですのでそのような場面をあえて設けており、リハビリやご入浴、お食事の時間帯、バイキングの時に何をどれだけ食べるか、その日開催されているいくつかのレクリエーションのどれに参加するかなどを、ご自身で選択し決めていただいております。また、ご自身のその日の体調や気分に合わせて、そもそもの選択肢である「活動に参加するかしないか」を決めるのも立派な「自己選択・自己決定」だと考えています。
そして「楽しさ」です。どのようなことにも関係しますが、楽しくなければ物事の継続は難しいと思います。一方、楽しく活動していると気持ちが前向きになりますし、気持ちが動くと体が動きます。それが1人ではなく集団となると更に効果があると感じています。
私がげんき館で凄いと感じていることのひとつは、1人のご利用者が先生となり、他のご利用者に教えながら作品制作や演奏練習が行われる、まるで教室のような風景が見られることです。内容は工作、折り紙、大正琴、折り紙、切り絵など、趣味嗜好を活かし様々です。しかも職員がお声掛けして集まるのではなく、ご利用者同士で声を掛け合い自然に教室が始まります。教室の様子を拝見していますと、上手く行かない時は「大丈夫だよ」と励ましながら支え、作品完成や演奏が上手くできた時には「上手くできたね」「教えてくれてありがとう」と、喜び合う姿が見られます。このように役割や趣味や楽しみが持てることは、鶴心会の理念である「安心と生き甲斐」に繋がっているのだと感じています。
繋がりと言えば、あるご利用者から「俳句が好きで昔も今も句を作っているのだけど、げんき館を利用している方で俳句好きな人いますか」と声を掛けられました。同じ日にご利用の方で、以前俳句のお話をして下さった方のことを思い出し、その方とお二人でお話をしていただいたところ、次回お互いの句を持ち寄り見せ合うことになったと、とても嬉しそうな笑顔でご報告をいただき嬉しい気持ちになりました。このようなきっかけがご利用いただく目的や楽しみに繋がればと思いました。まだまだ他にも色々な趣味ややってみたいことをお持ちの方がいらっしゃると思います。今後も良いきっかけを作るお手伝いをしていきますので遠慮せず声をかけていただけると嬉しいです。
私はご利用者との会話の中で趣味嗜好や生活の中で楽しいことは何かをお伺いすることがあります。返ってくる内容は十人十色ですが、中には「楽しいことは何もない」とお答えをいただきますと悲しい気持ちになります。だからこそ、げんき館のご利用が生活の中での楽しいことの1つになってもらえるように、そして今までで今日が一番楽しい利用日だったと毎回思っていただけるよう、ご利用者にとっての1日を大切にしていきたいです。
最後になりますが、げんき館はまだまだやるべきこと、やりたいことがいっぱいです。十周年の「十」を「プラス」と見立て、ひいては今よりももっともっと良いげんき館を目指し、さらなる進化と成長ができるよう頑張ります!!
さて、10周年を迎えたこの機会に一面の担当となりましたので、今一度、鶴舞温泉げんき館(以下げんき館)の概要と、支援方法の特徴、そしてげんき館ならではの特色を私なりにお伝えしたいと思います。
げんき館は「できること」は継続し「できないこと」は少しでもできるように生涯現役を目指して支援している介護予防に注力しているデイサービスです。1日の定員は72名で、平均60名の方にご利用いただいております。平成21年12月に開設し、平成25年9月に増築工事を施して通称「のんき館」が完成し現在に至っています。名前に温泉がついていることから分かると思いますが、地下600メートルより汲み上げられた天然温泉と房総の軽井沢と呼ばれる鶴舞の自然が一番の特色です。げんき館には内湯と露天風呂を完備した浴場が2ヶ所と、のんき館には雰囲気が異なる内湯2ヶ所に加え足湯を備えており、より多くのご利用者のお身体の状態、ご希望に合わせた対応ができるような設備となっています。ご利用者からは「旅行に行かなくても温泉に入れるのは最高」「体の芯まで温まり体の痛みが楽になった」等々、嬉しいお声をいただいています。その他にも本格的なカラオケルームやリハビリ室も備えており、多様な目的に沿ったお過ごし方ができるようになっています。
げんき館ではご利用者を支援させていただくにあたり「できることは自分で」「自己選択・自己決定」「楽しさ」を大切に取り組んでいます。
まず「できることは自分で」ですが、生活動作の中で、できることはご自身でやっていただくといった、ご利用者の持ちうる資源を最大限に活かす支援を行なっています。それはご利用者の大半が、在宅生活を送っているからです。例えば、お食事はバイキング形式でご提供させていただいており、食器類からはじまり品数豊富に並ぶお肉・お魚・煮物・炒め物・和え物・果物などをご自身で盛り付けていただきます。職員がすぐにお手伝いすることは簡単ですが、そこは気持ちをぐっと抑え、できる限りご自分で行っていただき、難しいことややりづらそうなときは、道具を使ってはどうか、やり方を変えてみてはなど、①ご自身で②道具の活用ややり方を工夫③人の手を借りてと、段階を踏みながらより在宅生活に近い方法を心掛けています。
次の特徴は「自己選択・自己決定」です。在宅生活を送る中で「自己選択・自己決定」ができることはいつまでも自分らしい生活を送るために必要な要素ですのでそのような場面をあえて設けており、リハビリやご入浴、お食事の時間帯、バイキングの時に何をどれだけ食べるか、その日開催されているいくつかのレクリエーションのどれに参加するかなどを、ご自身で選択し決めていただいております。また、ご自身のその日の体調や気分に合わせて、そもそもの選択肢である「活動に参加するかしないか」を決めるのも立派な「自己選択・自己決定」だと考えています。
そして「楽しさ」です。どのようなことにも関係しますが、楽しくなければ物事の継続は難しいと思います。一方、楽しく活動していると気持ちが前向きになりますし、気持ちが動くと体が動きます。それが1人ではなく集団となると更に効果があると感じています。
私がげんき館で凄いと感じていることのひとつは、1人のご利用者が先生となり、他のご利用者に教えながら作品制作や演奏練習が行われる、まるで教室のような風景が見られることです。内容は工作、折り紙、大正琴、折り紙、切り絵など、趣味嗜好を活かし様々です。しかも職員がお声掛けして集まるのではなく、ご利用者同士で声を掛け合い自然に教室が始まります。教室の様子を拝見していますと、上手く行かない時は「大丈夫だよ」と励ましながら支え、作品完成や演奏が上手くできた時には「上手くできたね」「教えてくれてありがとう」と、喜び合う姿が見られます。このように役割や趣味や楽しみが持てることは、鶴心会の理念である「安心と生き甲斐」に繋がっているのだと感じています。
繋がりと言えば、あるご利用者から「俳句が好きで昔も今も句を作っているのだけど、げんき館を利用している方で俳句好きな人いますか」と声を掛けられました。同じ日にご利用の方で、以前俳句のお話をして下さった方のことを思い出し、その方とお二人でお話をしていただいたところ、次回お互いの句を持ち寄り見せ合うことになったと、とても嬉しそうな笑顔でご報告をいただき嬉しい気持ちになりました。このようなきっかけがご利用いただく目的や楽しみに繋がればと思いました。まだまだ他にも色々な趣味ややってみたいことをお持ちの方がいらっしゃると思います。今後も良いきっかけを作るお手伝いをしていきますので遠慮せず声をかけていただけると嬉しいです。
私はご利用者との会話の中で趣味嗜好や生活の中で楽しいことは何かをお伺いすることがあります。返ってくる内容は十人十色ですが、中には「楽しいことは何もない」とお答えをいただきますと悲しい気持ちになります。だからこそ、げんき館のご利用が生活の中での楽しいことの1つになってもらえるように、そして今までで今日が一番楽しい利用日だったと毎回思っていただけるよう、ご利用者にとっての1日を大切にしていきたいです。
最後になりますが、げんき館はまだまだやるべきこと、やりたいことがいっぱいです。十周年の「十」を「プラス」と見立て、ひいては今よりももっともっと良いげんき館を目指し、さらなる進化と成長ができるよう頑張ります!!
鶴舞温泉げんき館
館長 三木 喜文
館長 三木 喜文