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クレイン・トータス新聞

トータス新聞1面記事

「老健」と「特養」 意外と知らないその違い

2020-10-01
新聞
 私は、以前から高齢者施設で働きたいと思っておりました。縁があって、特別養護老人ホームトータスに就職し、1年6か月が経ちました。働き始めて病院しか知らなかった私にとって、色々な学びがありました。その内容をお伝えしたいと思います。
 皆さんご存知かと思いますが、「老健」といわれる介護老人保健施設と「特養」といわれる特別養護老人ホームがあります。特別養護老人ホームは、介護福祉施設ともいわれています。
<介護老人保健施設>
・要介護高齢者(要介護1以上)の自宅復帰を目指すため、手厚い医療ケアが受けられる
 医師が常勤、看護師が24時間常駐しているため、たんの吸引、経管栄養などの医療的処置にも対応でき、薬も施設から処方される
・在宅復帰が目標のため、入所期間が3~6か月と限定的である。
・機能訓練が充実している
 理学療法士や作業療法士などのリハビリの専門職が常駐し、個別の計画に基づいた機能訓練が受けられる
<特別養護老人ホーム>
・在宅で生活が困難となった要介護3以上の高齢者が入所でき、原則として終身にわたって介護が受けられる
・介護スタッフが24時間常駐し、必要な時に適切な介護を受けることが出来る 
・部屋のタイプが「従来型」と「ユニット型」の2つのタイプがあり、古くからある従来型は多床室となり4人部屋が多く、施設全体で介護を行う。 また、ユニット型はすべて個室で10人程度を1つのユニットとして少人数の介護を行っている
 個人のプライバシーを尊重し、少人数の単位で家庭的な雰囲気の中で個別ケアを充実させている
・医療体制に限界がある
・看取りの対応が可能なため、終の棲家となりうる
トータスは「ユニット型」の施設になります。ご利用者様のお部屋は、ご家族やお孫様の写真が貼られたり、家族からの手紙が貼られたり、母の日のプレゼント、敬老の日のお祝いやお仏壇が置かれたり(これにはちょっとびっくりしました)テレビやラジオが置かれたりと、まるでご自宅のお部屋といった雰囲気となっています。
高齢者はいろいろな病気を抱えています。当たり前のことですが、病院では「熱が出た」「足が腫れている」「痛みがある」といった訴えがあれば、すぐ医師に報告し、必要な検査や処置が行われ、必要な薬が出されます。しかし当施設では、医師の常駐はなく、看護師も夜間はオンコールとなっていて、日中しかいません。症状があれば、必要な情報をとり、アセスメントし、治療が必要なのか、様子をみていて良いのか判断しなければなりません。とても責任重大だと思っています。日々看護師間でカンファレンスを行い、苦痛が最小限となるよう、介護士と協力しながらケアを行っています。
 入所されているご利用者の多くは80代から90代(100歳の方もおられます)です。統計を見ると、最期を迎える場所の1位は病院、2位は自宅、3位は施設となっていますが、最近では施設で最期を迎える方が多くなってきているそうです。その理由は、今まで住み慣れ、安心して過ごしている施設の自室で最期を迎えたいと思う人が増えてきたからと言う事です。
施設では、慣れ親しんだ場所で身体的・精神的負担を緩和させ、本人の意思を尊重しつつ、亡くなる直前まで安らかに過ごせるような援助、特別なことを行うというよりは、日常行っている介護の中で、本人の気持ちに寄り添い、穏やかに最期の時間を過ごせるように関わっています。
 私は今まで、病院で最期を迎えた方を見送ってきました。病院では治療が中心ですので、食べられなくなれば点滴を行います。血圧が下がれば血圧を上げる薬を、身体がむくめば利尿剤といって尿を出す薬を始めます。点滴を始めれば、管を抜かれないように、ご家族の承諾を得て手や足を拘束します。患者さんにとっては、身体的・精神的な苦痛でしかないと思います。高齢者は一般的に血管の弾力性が弱くなっているので、点滴も数日しかもたず、漏れれば別の血管に針を刺す、漏れた場所の皮膚は赤紫色になってしまうといった繰り返しの中で徐々に灯が消えていく、患者さんの中には、身体もむくんでひとまわり大きくなった体で、そして辛そうなお顔をされていたのを思い出します。
 当施設では、「看取り」ということを家族に十分に説明し、同意を得ています。医療的処置は行わず、食事量や飲水量が少なくなれば、形態を変えてみたり、味を変えてみたり、色々工夫を試みます。それでも口に入る量が減り、徐々に灯が消えていきます。
 その間にご家族も看取る準備ができるのでしょうか…。面会にいらっしゃったときに涙を浮かべながら一緒にお写真を撮っているご家族もいらっしゃいました。その姿をみて、家族の固い絆を感じました。
 今後も、ご利用者が安楽に過ごせるように関わっていきたいと思います
 最後になりますが、新型コロナウイルスをはじめインフルエンザ、感染性胃腸炎など時節柄流行する感染にかからぬよう、今後も手洗いやうがいを励行しましょう。 
 
特別養護老人ホームトータス
看護師  長谷川敦子
医療法人社団得心会
〒290-0511
千葉県市原市石川1078
TEL.0436-88-4500
FAX.0436-88-4002
・介護老人保健施設クレイン
・クレイン通所リハビリテーション
・クレイン訪問リハビリテーション
・鶴舞訪問看護ステーション
 
社会福祉法人鶴心会
〒290-0512
千葉県市原市鶴舞559-1
TEL.0436-50-6161
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・特別養護老人ホームトータス
・トータスデイサービスセンター
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