クレイン・トータス新聞
トータス新聞1面記事
母の味
2020-08-01
私が調理師になりたての頃、調理の指示書通りに作っていても、どうも味が違う、何が違うの？この味でよいのだろうかと、味に迷いが出て、どうすれば良いのだろうと考えてしまう事がありました。そして、ん！できた！！そうそう、この味・・・食べた事のある味、懐かしい味、それは・・・母の味でした。
私の実家は父の職場の敷地内に建っている社宅でした。そのため父は昼食を食べに家に帰ってきます。専業主婦の母は一日中、台所に立ち、三食家族揃って食事をすることが当たり前でした。もちろん、おやつも手作りです。今では見ることのないガスオーブン（ガスコンロの上にオーブンを置きコンロの火を利用して使うタイプです）パンやクッキー、ケーキ、シュークリームなど、どれも美味しかったです。中でも母の作る食事で一番記憶に残っているのは茶碗蒸しです。これが絶品なのです。子どもの頃、扁桃腺の熱をよく出していた私のために作ってくれました。高熱が出ていても、母の作った茶碗蒸しだけは食べられました。ほんのり甘く、出汁の旨味が最後に残り、喉につるっと入っていき、茶碗蒸しの良い香りがしました。
先日、母に作り方を聞いてみると、干しシイタケの出汁を常に作り置きして冷蔵庫に入れてあったと教えてくれました。たしかに、我が家の冷蔵庫に「中身は麦茶ではない」と言っていたボトルが入れてありました。なるほど！私の感じる茶碗蒸しの香りは、シイタケと卵の香りだったんだと。他には、電子レンジを使って作った手作りホワイトソースで作るマカロニグラタン。これをお腹いっぱい食べさせてもらいました。また、おやつではシュークリームです。カスタードクリームも電子レンジで、一から作ります。シュー生地に自分でクリームをたくさん挟んで食べていた記憶があります。お腹いっぱいで夕食が食べられず父に叱られた、良い思い出です。
今、昔の記憶をたどってみると色々な時に食べていた味が思い出されるとともに、母の大変さや苦労が身に染みてやっと分かるようになりました。どんな時も手料理を食べさせてくれた母への感謝の気持ちでいっぱいです。そんな料理好きの母の下に育った私は、料理を全く作った事がなく、嫁ぎ先のキッチンで、よく包丁を持ち、棒立ちになっていました。母に電話をかけ「どうやって作るの？」と尋ねると、ほとんどの作り方の最後に「塩をひとつまみ＝甘くなるから」「砂糖をひとつまみ＝優しくなるから」と、教えてくれました。あれから何十年経ったことでしょう。これが私の理想の味、体が一番求めている味が、母の味であることにやっと気づく事が出来ました。これこそが「おふくろの味」ってやつですね。
現在厨房では、毎食平均１００食作っています。家庭料理とは、鍋の大きさも調味料の量も違うため、家庭の味を出すのはなかなか難しいですが、母が育ててくれた味覚で皆さんに「懐かしい」そして「美味しい」と言って頂けるお食事が提供できるよう今後も努めていきたいと思います。
ここで突然ですが、「皆さんの、おふくろの味は何ですか？」と職員へ伺ってみました。
トータスのケアマネジャー、柴嵜さんに聞いてみました。柴嵜さんは、おばあちゃんである「文子さんの味」で、「大きな沢山の具が入ったカレー」と「肉じゃが」だそうです。ゴロゴロとした野菜とお肉がとても美味しくて、夕食と翌日の朝食にも必ず食べて元気に学校へ通っていたそうです。
トータス管理栄養士の中尾さんは、「パエリア」と答えてくれました。食欲を増すサフランの香りが忘れられず、今でも食べたくなるそうです。子どもの頃、誕生会を行った時に作ってくれていた事もあり、たくさんの思い出がつまった一品であると教えてくれました。時代とともに「おふくろの味」も変化しているようですね。他にも味噌汁、肉じゃが、カレーライス、厚焼き玉子等々。定番メニューも、ご家庭によって味が変わりますよね。味噌汁の具は？肉じゃがは何味でしたか？皆さんどうぞ管理栄養士にお聞かせ下さい。食べることが楽しみになるようなメニュー作りの参考にさせていただきます。
まな板と包丁の奏でる音「トントントン」と聞こえると、母の姿が目に浮かびます。今年86歳になる母は足が弱くなり、歩くこと事がままなりませんが現役でキッチンに立っています。腕も衰えていません。まだまだ母には、教えてもらわなければならないことが沢山あります。母が育ててくれた、味覚に感謝し、母と共に、自分の味を作っていきたいと思います。
最後に問題です！トータスメニューで、一番人気のカレーには、カルシウムを摂取する為の何かが入っています。それは何でしょう？
答えは、スキムミルクです。年齢を重ねるごとにカルシウム不足となり、骨粗鬆症になりやすくなります。そこで、トータスのカレーにはスキムミルクを入れて、カルシウムがたっぷり入ったカレーを提供しています。皆さん食べていて気が付きましたか。簡単ですので是非ご家庭でも試してみてください。
私の実家は父の職場の敷地内に建っている社宅でした。そのため父は昼食を食べに家に帰ってきます。専業主婦の母は一日中、台所に立ち、三食家族揃って食事をすることが当たり前でした。もちろん、おやつも手作りです。今では見ることのないガスオーブン（ガスコンロの上にオーブンを置きコンロの火を利用して使うタイプです）パンやクッキー、ケーキ、シュークリームなど、どれも美味しかったです。中でも母の作る食事で一番記憶に残っているのは茶碗蒸しです。これが絶品なのです。子どもの頃、扁桃腺の熱をよく出していた私のために作ってくれました。高熱が出ていても、母の作った茶碗蒸しだけは食べられました。ほんのり甘く、出汁の旨味が最後に残り、喉につるっと入っていき、茶碗蒸しの良い香りがしました。
先日、母に作り方を聞いてみると、干しシイタケの出汁を常に作り置きして冷蔵庫に入れてあったと教えてくれました。たしかに、我が家の冷蔵庫に「中身は麦茶ではない」と言っていたボトルが入れてありました。なるほど！私の感じる茶碗蒸しの香りは、シイタケと卵の香りだったんだと。他には、電子レンジを使って作った手作りホワイトソースで作るマカロニグラタン。これをお腹いっぱい食べさせてもらいました。また、おやつではシュークリームです。カスタードクリームも電子レンジで、一から作ります。シュー生地に自分でクリームをたくさん挟んで食べていた記憶があります。お腹いっぱいで夕食が食べられず父に叱られた、良い思い出です。
今、昔の記憶をたどってみると色々な時に食べていた味が思い出されるとともに、母の大変さや苦労が身に染みてやっと分かるようになりました。どんな時も手料理を食べさせてくれた母への感謝の気持ちでいっぱいです。そんな料理好きの母の下に育った私は、料理を全く作った事がなく、嫁ぎ先のキッチンで、よく包丁を持ち、棒立ちになっていました。母に電話をかけ「どうやって作るの？」と尋ねると、ほとんどの作り方の最後に「塩をひとつまみ＝甘くなるから」「砂糖をひとつまみ＝優しくなるから」と、教えてくれました。あれから何十年経ったことでしょう。これが私の理想の味、体が一番求めている味が、母の味であることにやっと気づく事が出来ました。これこそが「おふくろの味」ってやつですね。
現在厨房では、毎食平均１００食作っています。家庭料理とは、鍋の大きさも調味料の量も違うため、家庭の味を出すのはなかなか難しいですが、母が育ててくれた味覚で皆さんに「懐かしい」そして「美味しい」と言って頂けるお食事が提供できるよう今後も努めていきたいと思います。
ここで突然ですが、「皆さんの、おふくろの味は何ですか？」と職員へ伺ってみました。
トータスのケアマネジャー、柴嵜さんに聞いてみました。柴嵜さんは、おばあちゃんである「文子さんの味」で、「大きな沢山の具が入ったカレー」と「肉じゃが」だそうです。ゴロゴロとした野菜とお肉がとても美味しくて、夕食と翌日の朝食にも必ず食べて元気に学校へ通っていたそうです。
トータス管理栄養士の中尾さんは、「パエリア」と答えてくれました。食欲を増すサフランの香りが忘れられず、今でも食べたくなるそうです。子どもの頃、誕生会を行った時に作ってくれていた事もあり、たくさんの思い出がつまった一品であると教えてくれました。時代とともに「おふくろの味」も変化しているようですね。他にも味噌汁、肉じゃが、カレーライス、厚焼き玉子等々。定番メニューも、ご家庭によって味が変わりますよね。味噌汁の具は？肉じゃがは何味でしたか？皆さんどうぞ管理栄養士にお聞かせ下さい。食べることが楽しみになるようなメニュー作りの参考にさせていただきます。
まな板と包丁の奏でる音「トントントン」と聞こえると、母の姿が目に浮かびます。今年86歳になる母は足が弱くなり、歩くこと事がままなりませんが現役でキッチンに立っています。腕も衰えていません。まだまだ母には、教えてもらわなければならないことが沢山あります。母が育ててくれた、味覚に感謝し、母と共に、自分の味を作っていきたいと思います。
最後に問題です！トータスメニューで、一番人気のカレーには、カルシウムを摂取する為の何かが入っています。それは何でしょう？
答えは、スキムミルクです。年齢を重ねるごとにカルシウム不足となり、骨粗鬆症になりやすくなります。そこで、トータスのカレーにはスキムミルクを入れて、カルシウムがたっぷり入ったカレーを提供しています。皆さん食べていて気が付きましたか。簡単ですので是非ご家庭でも試してみてください。
トータス調理師 佐藤 祐美
