社会福祉法人 鶴心会のホームページ

　このままで良いのかな？今の仕事続けていけるかな？とふと思った人生の折り返し地点に差し掛かった12年前、私に出来る仕事、他に何かないかなと思い、色々考えて、そうだ！これからもっと高齢化社会になり、介護職なら必要不可欠ではないかと思い、ヘルパー２級講座（現介護職員初任者研修）に申し込み、挑戦し、資格を取得し登録ヘルパーとしてスタートしました。

　主に訪問介護で生活援助が多く、失敗も沢山ありました。洗濯をすればリハビリパンツも一緒に洗ってしまい、洗濯機の中を高分子吸収体、俗に言うポリマーだらけになってしまい、掃除が大変！入浴介助すればシャワーパイプのレバーを間違えて自分で頭からシャワーを浴びてびしょ濡れ。オール電化のお宅ではコンロの使い方がよく分からず鍋を焦がしてしまったり、料理の味付けを酒の肴のような濃い目の味付けをしてしまったり…。そのような色々な失敗を重ねながら二足の草鞋の生活にピリオドを打ち、介護の仕事１本で頑張る決心をしたのが４年後でした。その頃の上司に自分の為にもスキルアップしなさい。介護福祉士の資格を取得しなさい。と何度も勧められ、自信が無かったけど、チャレンジし、運良く(笑)合格することが出来ました。

　それからは、施設はどんな仕事をするのだろうか。働いてみたいなと考え始めていたところ、ある一枚の新聞の求人広告を目にして、電話をし、施設見学、面接を経て平成27年にトータスへ入職になりました。勿論、以前の会社の上司にも相談し、納得して頂き円満退社となりました。訪問介護とはかなり違った世界でしたが、介護の基本は変わらないと気付きました。ご利用者の命や生活を支えている仕事であるという緊張感を常に持っていなければならない事と信頼関係を築く事が大切だと思ったからです。

　トータスにお世話になり、早７年が経ちました。昨年、晴天の霹靂で「胃がん」になってしまいました。毎年、健康診断を受けていたので、幸いにも早期発見で他に転移もみられなかった為、３分の１ほど胃を残すことができました。病気になり、まず最初に上司に相談しました。今後、どうしたらいいか…。不安でいっぱいでしたが、上司や事務所の方々、同僚。皆さんが温かく励ましてくれて本当に感謝しました。

その後、私が取り掛かったのが、飛ぶ鳥跡を濁さずで、もし、万が一、自分が居なくなった時を考え「終活」の為の断捨離です。始めてみると、さすが勿体ない婆ちゃんが何十年も貯め込んだだけあり、不用品が出るわ出るわ。痩せたらまた着ようと思っていた服や、いつか役立つだろうと取っておいた空箱など潔く捨てることが出来ました。かな？（笑）

　入院を含め、約１ヶ月半お休みをさせて頂きました。入院して思ったことは、入所しているご利用者は車椅子だったり、トイレに行けずオムツ対応だったり、身体がご自身では思うように自由に動かせなかったりで本当に辛い思いをしているんだなと感じました。これからはもっとご利用者に寄り添って介護をしていかなくては。私もちょっとの時間でしたが、トイレに行けなかったり、点滴をしていてベットに寝ているだけでも不自由で大変だった体験をして分かりました。

　１ヶ月間、自宅療養をしていましたが、早く職場に戻りたい。皆に会いたい。仕事がしたいと思い、退院後初めての受診の時、１ヶ月位で職場復帰して良いですかと主治医の先生に伺ったら、ご本人が大丈夫なら良いですが無理だけはしないでくださいと釘を指されました。

　今はコロナ禍です。そのことにつきましても巷では、コロナワクチン接種の予約がなかなか取れない、PCR検査キットや抗原検査キットが手に入らないなどテレビで大騒ぎになっている時でも、トータスではご利用者や職員の健康第一に考え、接種や検査体制を整えてくださり、安心して仕事が出来ることにも感謝しています。

　これから先、自分自身に何が起こるか分かりません。もしかしたら、また病気が再発するかも知れませんが、日々生かされて、仕事する場所があり、充日した毎日が送れることに感謝しつつ、過ごせていけたらと願っています。

介護職　木嶋　春美