社会福祉法人 鶴心会のホームページ

　デイサービスで体操を行っているうちに、体の仕組みや疾患のことをもっと学びたいと思うようになりました。そんなある日のことでした。ご利用者から、「ヨガって私みたいな年齢には無理よね。腰も曲がっているし、体力もないし…」と言われました。ご利用者が思うヨガとはそんなイメージなのかと驚き、そのイメージを覆したいと猛勉強が始まりました。
　まず、インターネットで検索すると、サイトがヒットしたので、内容を確認し、すぐに問い合わせをしました。すると、「ヨガは資格がなくても教えることができますが、きちんと学ぶと良いでしょう」とのことでした。すぐ動くのが私の良いところ（笑）。早速ＲＹＴ２００（国際ヨガ資格）を取得しました。
　一口にヨガといっても、マタニティー、キッズ、シニア等、様々な種類があります。もちろん体は人それぞれ違い、また、持っている疾患も異なります。そのため避けた方が良いポーズや、注意が必要なこともあります。そう聞くと「難しそう」と思い、尻込みしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。けれどもそんな方にぜひ挑戦して欲しいのが椅子ヨガなのです。
　なぜ私が椅子ヨガを勉強したのか。それには天国の娘からのメッセージがきっかけです。
　私の娘はハンディキャップを持っていました。ハンディキャップのある子はみんなと同じように動くことができなかったり、健常児と一緒に習い事ができないこともあります。そのようなできないことの積み重ねで、親も心を閉ざしてしまう家庭も多いです。そんな現状をどうにかしたいと考えている時期に、娘が天国に旅立ちました。その後、夢に出てきた娘に「ママのやりたいことは？」と聞かれました。不思議なことに、息子も主人も同じ夢を見ていました。家族で「これは叶えないといけないね」と話し、私のやりたいことは何だろうと考えていた時、前述の「私みたいな…」とのご利用者からの一言。「これだー！」と、モヤモヤしていたものがスッキリしました。
　ヨガの勉強をしていくうちに、ヨガは健康な人だけのものではなく、心と身体を健康にするためのものだと分かりました。では、心と身体が元気になることとヨガは、どの様な関係があるのでしょうか。
　心が元気でないと、姿勢はどの様になりますか？うつむきがちで、背中が丸く、猫背になっていませんか？すると、内臓が圧迫され、血液やリンパの流れが悪くなって浮腫みを引き起こしたり、呼吸がしづらくなったり消化が悪くなったりすることがあります。また、肩や首への負担から、凝りや自律神経の乱れによる不眠や倦怠感、めまいやふらつきにも繋がります。
　姿勢の悪さが引き金となり、様々な身体のトラブルを引き起こすことが分かったと思います。ということは、姿勢が良くなれば、これらの不調の改善が期待できます。そこでお勧めなのがヨガです。ヨガを行うことで柔軟性を向上させ、正しい姿勢を身につけることが期待できます。
　では、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。最後に家でも簡単にできる椅子ヨガをご紹介致します。

〈呼吸を楽にする〉
①足を開き姿勢を正す
②鼻から息を吸いながら、右手を横から頭上に伸ばし、吐きながら左に倒す
肘は曲げて大丈夫です
③鼻から息を吸いながら右手を頭上に戻し、吐きながら身体の横に戻す
④左手も同じように行う
脇が伸びることで肺が広がって呼吸が楽になり、睡眠の質を高めます。
〈肩こりに効く〉
①握り拳２つ分足を開き、姿勢を正す
②手を肩に置き、鼻からゆっくり息を吸いながら、肘を前から上げる
④鼻からゆっくり吐きながら、後ろから下ろす
必ず呼吸に合わせて行いましょう。リラックス効果もあります。
〈背中のコリに効く〉
①握り拳２つ分足を開き、胸の前で指を組み、鼻からゆっくり息を吸う
②鼻からゆっくり吐きながら背中を丸め、組んだ手を前に押し出し、お臍をのぞき込む
③鼻から吸いながら元の姿勢に戻る
ゆっくり行うことで背骨周りの筋肉がほぐれてきます。
　いかがでしたでしょうか？ヨガと聞くと難しそうなイメージですが、椅子を使うことで、ハンディキャップも年齢も関係なく、どなたでも挑戦することができます。それが椅子ヨガの良いところだと思います。皆様も是非挑戦してみてください。

鶴舞温泉げんき館
介護職　種村　香