社会福祉法人 鶴心会のホームページ

　皆様こんにちは。トータス居宅介護支援事業所です。今回は、介護保険の介護認定調査について、ご紹介致します。

　介護認定調査とは？　

　お住いの市区町村へ要支援・要介護認定の申請書を提出すると、各市区町村の認定調査員や依頼を受けた居宅介護支援事業所のケアマネジャーが、自宅や施設等を訪問し、本人や家族・施設職員等に聞き取りを行い、要介護者の心身の状態を確認し、認定調査票に記載、調査票を作成します。

　介護認定調査は、「身体機能・起居動作」「生活機能」「認知機能」「精神・行動障害」「社会生活への適応」と大きく五項目に、分けられています。

　「身体機能・起居動作」は、麻痺の有無、関節の動きの制限、寝返り・起き上がり・座位保持・立位保持・歩行・立ち上がり・視力・聴力等の能力、入浴での洗身・爪切り等の介助方法です。麻痺や関節の動き・歩行・立ち座り・視力等は、本人又は家族の同意の下、認定調査員の指示で、ゆっくり確認動作をしてもらいますが、動かす事が危険と見なせば、確認動作は行いません。途中で痛みの訴えがあれば中止し、そこまでの様子や状況で、認定調査員が判断します。

　「生活機能」は、移乗・移動・食事摂取・排尿・排便・歯磨き・洗顔・整髪・衣類の着脱等の介助方法、えん下能力、外出頻度です。

　「認知機能」は、意思伝達・毎日の日課・年齢・短期記憶・自分の名前・今の季節・場所の理解等の能力、徘徊・外出すると戻れるかの有無です。

　「精神行動障害」は、ひどい物忘れ・被害的になる・つくり話・感情が不安定・昼夜逆転・同じ話をする・大声を出す・介護に抵抗・収集癖・物や衣類を壊す・勝手な行動・話がまとまらない・独り言等の有無です。

　「社会生活への適合」は、服薬・金銭管理、買物・簡単調理等の介助方法、日常の意思決定の能力です。その他五項目に加え、過去14日間に受けた医療、寝たきり度、認知症日常生活自立度、住まいの環境や家族の状況、現在受けている介護サービスや自費のサービス利用状況の聞き取りです。

　認定調査当日は、本人だけでなく家族も立ち合い、日常の様子、現在の身体状況、認定調査時に出ていない症状、質問内容以外でも本人や家族が気になっている事・介護の困り事・心配事を認定調査員に伝えましょう。

　日常の様子として例えば、「上着は一人で着られますか？」という認定調査員の質問に対して、「自分で着ています」と答えれば、認定調査票には【介助されていない】という項目にチェックされます。しかし、普段の様子として家族が「自分で着ていますが、服を反対に着たり、ボタンを掛け違うので、声掛けや見守りをしています」と、より詳しく伝えれば、認定調査票には【見守り等】という項目にチェックされます。特記事項として介助方法を記入してもらえ、介護認定審査会で審査する際の判断材料になります。普段の様子をメモにして話すと、伝え忘れを防ぐことができ、認定調査員も状況を把握しやすいです。

　介護認定は「どれだけ自分でできるか」ではなくどれだけ介助が必要か、手間がかかっているかを測る調査になるので、介助者の目線が必要です。家族でなくても、介護を普段からしている第三者に、立ち合ってもらう事を検討しましょう。

　認定調査と並行して市区町村が、主治医に意見書の作成を依頼します。要介護認定申請前後に本人・家族からも、主治医に意見書の作成をお願いし、普段の様子や現状・認知症に関する症状・困っている事等を伝えましょう。主治医が意見書を作成する上で、参考にしていただけます。

　聞き取った認定調査の内容にてコンピューターによる一時判定を行います。二次判定では一次判定の結果や、特記事項と主治医の意見書等に基づき、保険・医療・福祉の学識経験者からなる介護認定審査会において、要介護度を決定します。結果は、非該当、要支援１～２、要介護１～５までのいずれかに認定され、結果の通知は申請から約30日を要し、自宅に郵送されます。

　以上のように、介護認定調査について、簡単ですが説明させていただきました。介護認定調査を受ける際の参考にしていただけたらと思います。今後もよろしくお願い致します。

トータス居宅介護支援事業所

田端　真弓